商品を売上げたらCOGS Cost of goods sold《ゼロから学ぶ英文国際会計実務セミナー資料解説 RI-Studies》リエゾンインターナショナル株式会社


商品を売上げたらCOGS《ゼロから学ぶ英文国際会計実務セミナー資料解説 RI-Studies》

売上原価(Cost of goods sold 略してCOGS)の算定・計上方法について見てみましょう。
日本では 仕入勘定を使い 商品勘定は期中に増減がなく 期末に棚卸をして期首商品棚卸高と期末商品棚卸高を洗い替えて売上原価を算定する記帳方法が一般的で 広く利用されている会計ソフトもこの棚卸計算法がデフォルト設定になっているようです。この場合 計算結果として売上原価が導き出され 日常業務で仕訳に使われる「売上原価」という勘定科目は存在しません。
一方 仕入の際に Inventory 勘定を使って記帳する継続記録法の場合は Cost of goods sold が勘定科目として存在し 売上と同時に払い出された商品を売上原価に振り替えていきます。
売上原価勘定は 英語で Cost of goods sold(略してCOGS)、Cost of sales 等がよく使われています。

上の表中、取引2は 継続記録法での売上原価の計上、取引4は 棚卸計算法での売上原価の算定・計上を示しています。
商品仕入の際に「仕入(Purchases)」勘定を使う場合(棚卸計算法)と「商品・棚卸資産(Inventory)」勘定を使う場合(継続記録法)を比較してみましょう。

仕入 Purchases 勘定を使う場合(勘定科目名はよく目にする一例です)

取引2(売上時): 取引1の商品を50,000円で売上げ、代金は後日回収予定。
《日本語の仕訳》(借方)売掛金 50,000  (貸方)売上 50,000
《英語の仕訳》 Dr. Accounts receivable-trade 50,000 Cr. Sales 50,000
※ 売上時には売上原価算定に関する仕訳はありません。

取引4(売上原価算定時): 期末の商品棚卸高は5,000円、期首の商品棚卸高は6,000円だった。
《日本語の仕訳》(借方)仕入 6,000  (貸方)商品または繰越商品 6,000
        (借方)商品または繰越商品 5,000 (貸方)仕入 5,000
《英語の仕訳》 Dr. Purchases 6,000 Cr. Inventory 6,000
        Dr. Inventory 5,000 Cr. Purchases 5,000
※ 商品勘定の金額は期中ずっと期首金額のまま増減せず期末の売上原価算定時に初めて金額が変わります。

  

商品・棚卸資産(在庫)Inventory 勘定を使う場合(勘定科目名はよく目にする一例です)

取引2(売上時 同時に売上原価を計上): 取引1の商品を50,000円で売上げ、代金は後日回収予定。
《日本語の仕訳》(借方)売掛金 50,000  (貸方)売上 50,000
        (借方)売上原価 30,000 (貸方)商品 30,000
《英語の仕訳》 Dr. Accounts receivable-trade 50,000 Cr. Sales 50,000
        Dr. Cost of goods sold 30,000 Cr. Inventory 30,000

取引4: 期末の商品棚卸高は5,000円、期首の商品棚卸高は6,000円だった。
《日本語の仕訳》なし。売上のつど売上原価を計上するので期末の売上原価算定仕訳は不要です。
《英語の仕訳》 なし。売上のつど売上原価を計上するので期末の売上原価算定仕訳は不要です。
※ 期中 継続的に売上原価を計上し続け把握しているので 期末には特に売上原価算定の手続きがありません。商品勘定の金額は期中ずっと売上のつど変化します。

  

グローバル経理の現場では

外資系企業グループの日本法人や既に広範囲に国際展開している日系グローバル企業グループの多くで COGS/Inventory 勘定を使う継続記録法が用いられています。
グループ内で棚卸計算法と継続記録法が混在している企業グループもあるので、残高試算表や財務諸表を見る際、また財務レポーティング作成・提出の際には注意が必要です。

  
  
  

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